トマル ユウサク   TOMARU YUSAKU
  戸丸 優作
   所属   センター 国際交流センター
   職種   助教
言語種別 日本語
発行・発表の年月 2023/03
形態種別 論文
査読 査読あり
標題 「それから横になる,やせた背中を人類に向けて」:
サミュエル・ベケット『エレウテリア』の無為について
執筆形態 単著
掲載誌名 テクスト研究
掲載区分国内
出版社・発行元 テクスト研究学会
巻・号・頁 (19),43-62頁
総ページ数 20
概要 本論文ではサミュエル・ベケットの戯曲『エレウテリア』におけるヴィクトールの何もせずに横たわる姿勢に着目し、無為という主題がベケットの創作に及ぼした作用を考察した。この戯曲は全三幕からなり、第一幕と二幕はクラップ家の小サロンとヴィクトールの部屋の二つが舞台を分ける構成になっている。物書きだったが突然仕事を止めて何もしない状態に陥るヴィクトールを他の登場人物たちが元の状態に戻そうと説得するが、ヴィクトールは彼らの願いを聞き入れずベッドに横たわる、という内容になっている。ヴィクトールにみられる無為の主題とメルヴィル「バートルビー」のバートルビーの状態との類縁性を浮き彫りにし、その上で、『プルースト』や「三つの対話」におけるベケットの思考と無為の主題との関連をした。これらの作業を通じて、『エレウテリア』に見られる無為の表象が成立した過程を明らかにした。