トマル ユウサク   TOMARU YUSAKU
  戸丸 優作
   所属   センター 国際交流センター
   職種   助教
言語種別 日本語
発行・発表の年月 2012/03
形態種別 論文
査読 査読あり
標題 ひとりで『第四の嘘』を書くーアゴタ・クリストフ「双子三部作」の欲望を「書く」ことについて
執筆形態 単著
掲載誌名 言語情報科学
掲載区分国内
出版社・発行元 東京大学大学院総合文化研究科言語情報科学専攻
巻・号・頁 (10),255-271頁
総ページ数 17
概要 アゴタ・クリストフ(1935-2011)はハンガリー動乱の最中フランス語圏スイスに亡命し、そこで習得したフランス語を用いて『悪童日記』『ふたりの証拠』『第三の嘘』を著した。『悪童日記』は「ぼくら[nous]」という一人称複数の語り手によって語られ、また作中で明らかになるように、双子の書いた日記が『悪童日記』であるという一種のメタフィクションとなっている。本論文では、まず物語論の成果を踏まえてこの作品の語りの構造を分析し、その上で続編も手がかりにしながら、ふたりが『悪童日記』の内容を書き込んだとされているノートの実在が疑わしいことを突き止めた。その上で、フロイトの精神分析理論を援用し、双子の書記行為は彼らの抑圧されていた欲望を可視化するためであったことを明らかにした。