| 
            トマル ユウサク
            TOMARU YUSAKU
           戸丸 優作 所属 センター 国際交流センター 職種 講師  | 
      |
| 言語種別 | 日本語 | 
| 発行・発表の年月 | 2014/03 | 
| 形態種別 | 論文 | 
| 査読 | 査読あり | 
| 標題 | 「一人称の主題による変奏曲」ーサミュエル・ベケットの一人称語りの探求についてー | 
| 執筆形態 | 単著 | 
| 掲載誌名 | 言語情報科学 | 
| 掲載区分 | 国内 | 
| 出版社・発行元 | 東京大学大学院総合文化研究科言語情報科学専攻 | 
| 巻・号・頁 | (12),215-231頁 | 
| 総ページ数 | 17 | 
| 概要 | サミュエル・ベケット(1906-86)は第二次大戦後それまでの英語ではなくフランス語で短編と長編小説を書き始め、同時に一人称の語りによる小説を書くことになる。本論文では、英語で書かれた長編小説『ワット』(執筆1941-44(45?)年、出版1953)とフランス語で書かれた最初の中編小説『メルシエとカミエ』(執筆1946年5月から9月、出版1970年)を題材として、ベケットによる一人称語りの性格を分析した。 具体的な作業としては、フローベール『ブヴァールとペキュシェ』との比較を通じて、『メルシエ』の一人称の語り手「わたし」がメルシエとカミエの擬似カップルと持っている関係を明らかにした。その上で、『ワット』はもともと全知の語り手が語っている構造だったところに、語り手サムが導入されたというテクスト生成についての研究を踏まえ、この作品の語り手サムと主人公ワットの関係を分析した。以上の作業を通じて、擬似カップルと分身との間における一人称の語り手の様態の変化を考察した。 |